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お茶と放射能 −お茶でがんになる?−
(2) 大気に含まれるラドン (3) 地面やコンクリートからも放射線でています (4) 普通の食べ物にも放射線が含まれています 普通の食べ物に最も多く含まれている放射性物質はカリウム40です。 カリウムは、バナナや海草、ポテトチップ、切り干し大根などに多く含まれる元素です。液体石けん(カリ石けん)にも多く含まれています。 カリウム40は、カリウムの中に0.01%含まれる放射性物質で、ベータ線とガンマ線という放射線を出します。そして半減期は、なんと13億年です。カリウムの多い食品には、当然ですが放射性カリウム40も多く含まれています。 カリウムの多く含まれる食品は、こんぶ、わかめ、ヒジキ、ベーキングパウダー、脱脂粉乳、バナナなどです。そして、お茶にも高い濃度でカリウムが存在します。 カリウムの多い食品 カリウム40 お茶(煎茶)には1kgあたり27gのカリウムが含まれます。カリウム1gあたりの放射線強度は30.4ベクレルなので、お茶1kgに含まれる放射性カリウムは820ベクレルということになります。つまり、普通のお茶には、放射性セシウムの暫定基準値を上回る放射性カリウムが含まれていることになります。 ■お茶でがんになる? 普通のお茶には、暫定基準を上回る放射性カリウムが含まれていることがわかりました。それでは、お茶をよく飲む人はがんになりやすいのでしょうか? 「掛川茶ががんを予防する」でも述べていますが、お茶消費量の多い静岡県掛川市は、日本で一番がん死亡率の少ない市です。 放射性カリウムは、お茶と一緒に体に取り込まれます。体の中でベータ線などの放射線を出して、活性酸素を作ります。その活性酸素が細胞の遺伝子を攻撃すれば、がんになるのですが、お茶の中にはカテキンなど大量の抗酸化物質が含まれています。つまり、お茶に含まれる放射性カリウムが作り出す活性酸素は完全に除去されるのです。 今回騒ぎになっている放射性セシウムの量は数十から数百ベクレル程度で、お茶にもともと含まれる放射性カリウムよりずっと少ない量です。この程度の放射性セシウムでがんが増加するとはとても考えられません。 ■マスコミに踊らされない知識を身につける 「忍び寄る放射能汚染」、「汚染列島」のような、恐怖を煽る本や、マスコミ記事があふれていますが、その多くは科学的に怪しい情報です。 お茶から放射性セシウムが検出されたので、お茶を飲む習慣をやめたら、逆にがんになるリスクが増加します。 マスコミに踊らされることなく、正しい知識を身につけて行動することが求めらています。 参考:普通の食品に含まれる放射性カリウム量
参考 暮らしの中の放射線 |