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粉石けんは地元で買おう!


■通販は便利だけど・・・

 インターネットの普及で通信販売市場も急拡大しています。近くのお店には売っていないアクセサリー類、外国製のサプリメント、趣味の小物類、産地直送の新鮮でおいしい食材、無農薬で安全な食材、無添加石けんや化粧品・・・etc
 通販は多忙な生活を送る人にとっては便利です。でも、日常生活に必要な肉や野菜までも通販で買っている人は少ないと思います。このような日常的な食材や雑貨類は、スーパーや生協で手にはいるため、わざわざ送料をかけてまで通販で手に入れるものではありません。
 それでは、粉石けんはどうでしょう?通販でないと、自分が本当に必要な物は手に入らないのでしょうか?そして、通販で、送料をかけることの意味を考えてみましょう。
 
環境負荷を総合的に見ると
 
 石けんは環境に出たときに生分解性がよく、水生生物に対する毒性が低いのは事実です。使いすぎない限り、今後、大きく環境を悪化させるようなことは無いと考えられています。
 「石けんは合成洗剤より環境にやさしい」と考えられて。石けんを使われる方も多いと思います。

 最近は化学物質の環境影響を総合的に見るという流れが強くなっています。この研究の一つが、ライフサイクルアセスメント(LCA)というものです。LCAは、化学物質が、製造、輸送、使用、リサイクル、廃棄される各段階で、どれだけエネルギーを使うかを計算するもので、総合的にその化学物質がどの程度環境に負荷を与えているかを知るために使われます。

 石けんや合成洗剤についてもLCAの研究はされています。一例をあげます、これは界面活性剤1000kgを生産するのに必要なエネルギーを示しています
(単位:ギガジュール、EMR:原料自体の潜在エネルギー、出典:石けん・洗剤100の知識)
 
界面活性剤  製造  輸送  EMR  合計
LAS (石油)  22.7  1.30  36.9  60.9
AS (高級アルコール系・石油)  30.3  1.19  41.7  73.2
AES (石油)  31.9  1.55  39.5  73.0
AE3 (非イオン系・石油)  30.3  1.35  51.5  83.2
石けん (ヤシ油+牛脂)  18.9  1.56  33.6  54.0
 
 これを見ると、石けんは合成洗剤に比べて、製造エネルギーが少ない分、総合的に生産エネルギーが少ないことがわかります。ただし、実際に洗濯に使用する場合は、1回の洗濯に必要な界面活性剤の量は、粉石けんの場合、合成洗剤の約3倍必要なことを考えると、粉石けんといえど、使い過ぎには注意しなければいけません。

 さて、この輸送エネルギーは、通常の製造・販売ルートをもとに計算されています。個人的に、遠方から通販で購入すると、輸送エネルギーは急増します。粉石けん1個をトラックで何百キロも輸送することで、燃料(石油)の消費、ディーゼル排ガスの発生、温暖化ガスの発生等の環境負荷を高めてしまいます。環境のために石けんを使っていると思っていても、通販で購入すると、かえって環境を悪化させていることになります。
 
粉石けんは地元で買おう!
 
 化粧石けんは個人の趣味や肌への影響などで、通販を使うことも間違っていないと思いますが、毎日使う粉石けんは使用量も多く、通販を日常的に利用することは、個人的に輸送費がかかるだけでなく、環境への影響も無視できません。本当に、通販でないと、洗濯に必要な粉石けんが入手できませんか?

粉石けんの選び方はこちらを参考にしてください
粉石けんの選び方

 粉石けんメーカーは地元に根ざした中小企業が多く、良心的に粉石けんを作っているメーカも少なくないと思います。そのような地元のメーカーから粉石けんを購入することで、地元の産業を育てることが出来ます。また、地元なら輸送距離を短縮でき、輸送エネルギーをより小さくできます。地元のスーパーや薬局などで、いい粉石けんを探してみてください。

 生協を利用するのもいいと思います。生協の中には、粉石けんに力を入れている生協もあり、そこからは良質な粉石けんが安価に購入できます。
 関東では「生活クラブ生協」、関西では「生協都市生活」、九州では「グリーンコープ」などは、熱心に石けんを奨められています。お近くの生協は下のリンクから探してみてください。
 コープの広場