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軟水の安全性


■軟水って安全?
 
 水道水のまずさやトリハロメタン、環境ホルモンなどを問題にして、その危険を煽ることで、怪しい水を売る商売が横行しています。その商売は詐欺まがいの物も多く、注意が必要です。
 怪しい水についてはこちらのHPも参考になります
 水にまつわる迷信

 困ったことに、軟水もそれらの怪しい水と同等に考え、危険だと発言する人もいます。それらの、発言と根拠を検証してみます。
 
Q1 軟水のような硬度の低い水を入浴、シャワーに用いると、肌が弱くなって温泉に入れなくなる。
 
A1 温泉の例を考えてみましょう。温泉の水質は場所によって大きく異なり、硬度が10以下の温泉もあれば、数百の温泉もあります。pHも酸性の温泉も、アルカリ性の温泉もあります。硫黄や鉄分が多く含まれ、飲用には用いることが出来ない温泉もあります。温泉だけでなく、自然に存在する水の成分は非常に幅が広く、私たちは日常的にそれらの水と接しています。私たちの皮膚は丈夫に出来ていて、温泉のような様々な成分が溶けている水に触れてもダメージを受けません。
 軟水は水道水の硬度成分をナトリウムに置き換えただけで、他のマイナスイオン、有機成分などは変わりません。自然水の範疇から言えば、安全性の確かな水道水の、少しばかり成分が変わっただけです。
 もし硬度の低い水で入浴していれば、硬度の高い温泉に入れなくなるなら、北海道、東北、北陸などの硬度の低い地方の人は温泉を楽しめなくなるはずですが、そんなことはありません。

 
 
Q2 軟水は自然の水ではない、軟水はまだ歴史が浅く、安全性が確認されていない。
 
A2 なんだか、軟水を合成洗剤や医薬品と同等に考えているような意見ですね。軟水器はボイラー用に古い歴史があります。日本酒を仕込むのにも軟水が良いとされ、酒造には軟水を使うことが多いです。食品加工にも硬度成分が加工の邪魔をすることがあり、軟水を使う方が良い分野では、軟水器が多く用いられています。
 軟水器は硬度の高い欧米ではポピュラーな物で、ホームセンターでもごく普通に売っています。アメリカでは中流家庭では軟水器の普及率は90%以上と言われており、おそらく数千万人から1億人以上が軟水を入浴に用いています。すなわち、軟水を入浴、シャワーに使うことは十分に実績があり、軟水を入浴に使ったら危ないなんて全く根拠がありません。

 
 
Q3 石けんは薄められたときに、硬度成分があるから石けんカスが出来て、活性を失うので安全。軟水を使ったら、石けんといえども低濃度で界面活性を失わないので合成洗剤と同じように危険。
 
A3 環境中で石けんがどのように移動するかを考えれば、この意見が間違っていることが分かります。石けんを軟水で使ったとき、石けんカスが出来ないので、洗濯時、すすぎ時、入浴時は、洗濯機、浴室、配水管などはきれいなままです。配水管を流れた軟水・石けん廃液は下水道の本管に流れ込みます。下水道本管に流れている水は軟水ではないので、石けんは直ちに石けんカスになり活性を失います。下水道が普及していなくて、直接河川に流れ込むときも同じです、河川水で薄められると石けんは直ちに石けんカスになり活性を失います。
 軟水は石けんを使うときにのみ、石けんの能力を高めます、洗濯機や排水パイプも汚さず、下水に流れ込んだら石けんは活性を失うという、石けんを使いやすく、かつ環境に負荷を与えないという理想的な動きを実現します。

 
 
Q4 軟水器は高価である。高価であるということは製造時に環境負荷を与えている。
 

A4 値段と環境負荷は必ずしも一致しません。安価な製品の中には、大量生産で、環境負荷を与えることで値段を下げている物も多くあります。家庭用軟水器はまだ普及率が低いため高価です。しかし、本HPを参考にして軟水器は安価に自作することもできます。軟水を使うことで、石けん使用量、すすぎの水量を減らすことが出来、その分環境負荷も減らすことが出来ます。また、過敏肌、乾燥肌等の肌の弱い人は、軟水を使うことで、余計な保湿剤、化粧品、薬品の使用量を減らすことが出来、より安全、かつ経済的です。