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酸やアルカリを使った洗浄 (2) 重曹と炭酸塩


アルカリを使った洗浄
 
 今回は、アルカリとして重曹(粉末:シェーカーに入れて使用)と炭酸塩(炭酸ナトリウムの5%水溶液)の効果を調べてみました。
 
左から、重曹、液体石けん(石けん分3%)
炭酸塩(5%)
 
油汚れの洗浄
 
 豚の角煮で汚れた皿を使って、アルカリ助剤の効果を調べました。今回は、効果を調べるために、特に皿の前処理はせずに、直接ふりかけ(スプレー)しました。

水洗いのみ(対照)

油は皿についたまま落ちていません。
炭酸塩スプレー

水と比べて、油の一部は分散して、落ちました。
しかし、やはり皿に油が残りました。
重曹

油は重曹にしみこみ簡単に落とすことが出来ました。
皿にも油はほとんど残りませんでした。

重曹の研磨剤としての効果も期待でき、しつこい油汚れにも効果がありそうです。
石けんスプレー

やはり、一番よく落ちました。
 
 油汚れにはやはり石けんが一番落ちましたが、重曹も同じくらい良く落ちました。炭酸塩は確かに、水よりは油となじみますが、これだけで油汚れが完全に落とせるわけではありません。石けんの助剤として、石けんと同時スプレーすると石けんの洗浄力を高めるという使い方が良いと思います。
 また、油汚れは、あらかじめ不要の紙や布でぬぐい取ることで、石けん使用量を大幅に減らすことが出来ます。

茶渋落とし
 
 液体石けんと重曹を混ぜて、クリーム状のクリーナーを作ってみました。
これは重曹の研磨作用も手伝って、焦げ付きや茶渋落としに使えます。
重曹と液体石けんを使ったクリーム状クリーナー


使用前 使用後
 
レンジのこびりついた油汚れ
 
 レンジフードなどにこびりついた油は、時間がたつと酸化されて、重合して硬い皮膜になります。こうなったら落とすのに苦労します。
 炭酸塩だけでこのような汚れが落ちるのか調べてみました。

洗浄前 洗浄後
 
 炭酸塩だけでは、このような油汚れは落ちませんでした。
炭酸塩程度のアルカリでは、このような油を分解できません。また、汚れを引き離すには、油の中に浸透する必要がありますが、これは石けんなどの界面活性剤を使って浸透させないと、炭酸塩水溶液だけでは油にはじかれて中に浸透できません。
 
 市販のレンジ用洗剤は、水酸化ナトリウム等の強アルカリ、塩素系漂白剤、界面活性剤を使っています。界面活性剤で洗剤を油に浸透させ、水酸化ナトリウムで油脂のエステルを切断して、水に溶けやすくする、漂白剤の酸化力で油脂を酸化、切断する物です。強力だけに、危険性も高く注意が必要です。
 石けんと酸素系漂白剤でもお湯を使えば強力な洗浄力を発揮できます。温水を使った浸け置き洗いも効果的です。
 
浸け置き洗い
 
 浴室のタイルに付いたカビ落とし、レンジの壁に付いた油汚れなどは、漂白剤や石けん・洗剤をスプレーして、しばらくおいておくと効果的に汚れを落とすことが出来ます。しかし壁にスプレーした石けんなどはすぐにたれてしまいます。
 こんな時は写真のようにティッシュペーパーなどの紙にスプレーして壁に貼り付けます。これだと少量の石けんですみ、たれることもありません。この方法は、換気扇の羽根等にも応用できます。
 
重曹を脱臭剤として使う
 
 生ゴミの臭いのもとは、主としてゴミが腐敗したときに出来る酪酸、吉草酸、プロピオン酸等の低級脂肪酸です。これらはアルカリで中和すると臭わなくなります。
 生ゴミの入ったゴミ箱に重曹をふりかけると、生ゴミの臭いはほとんど無くなりますので、試してみてください。
 
 また、同様の理由で靴箱や冷蔵庫に重曹の入ったコップを入れておくと脱臭されます。ただし、冷蔵庫の臭いは低級脂肪酸だけではないので、活性炭でアミン類(魚の生臭い臭い)を吸着させると、更に効果的です。