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ハーブ成分の抽出と精製


 
 ■ハーブ成分の抽出と精製
 ■2015年 9月 1日 改訂第2版発行
 ■発行所 uki☆uki☆せっけんライフ 
 ■こちらで購入できます
  DL-MARKET
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2014.8初版発行以来好評をいただいているハーブ成分の抽出と精製を改訂しました。
セミナーでも人気の水蒸気蒸留とハーブ真空蒸留法のページを大幅に追加し、より詳しく、わかりやすく解説しています。
ページ数も初版の45ページから60ページに増加し、内容はますます充実しました。


■ はじめに 

 健康志向、自然志向の高まりから、近年、石けんや化粧品を手作りする人が増えています。そして、 そのような化粧品作りに欠かせないのがハーブです。
 ハーブは、医薬品として使われた歴史があり、穏やかな薬理作用のあるものも多くあります。ハーブから抽出したエッセンシャルオイルは、アロマセラピーへ多く使われています。ハーブチンキは、化粧水などに、インフュージョンオイルは、石けんや美容オイル、クリームなどに配合されます。
 このようにハーブの応用範囲は広いのですが、いざ手作り石けんや化粧品に応用しようとすると、様々な疑問が出てきます。
 まず、自分の作りたい化粧品に、どのハーブを入れればいいのか? 確かに、手作り化粧品を扱うサイトには様々な情報があふれています。しかし、それらの情報が信頼できるかといえば、疑問が残ります。効能については、自画自賛するサイトがほとんどで、科学的根拠が示されている情報は非常に少ないのが現状です。そのような情報を信じることができるのでしょうか?
ハーブは天然物だから安全と考える人は多いと思います。確かに、ハーブそのものを料理などに利用するのは問題ないでしょうが、エッセンシャルオイルは、ハーブ成分を何百倍にも濃縮したもので、その成分は化学合成試薬と変わりません。天然香料でアレルギー、喘息、扁桃痛が悪化したという例があります。それどころか、遺伝子に傷をつけたり、発がん性があるとの報告まであります。ハーブ成分の濃縮物は、うまく使うと有効ですが、使い方を誤ると、毒にもなります。このような情報は、まだまだ少ないのが現状です。
 また、ハーブからの抽出方法を体系的に説明している情報はほとんどありません。ハーブには様々な成分が含まれていますが、どの成分を利用すればよいのか、そしてその成分を効率的に抽出するにはどのようにすればいいのか。この基本的なことがわかりません。
 抽出の基本的な操作である水蒸気蒸留、圧搾、固液抽出、液液抽出、減圧蒸留、脱水、遠心分離などについて知りたくても、そのようなことは化学の専門書でないと書かれていません。そして、ハーブ抽出への応用が書かれた専門書は見あたりません。
 自分でエッセンシャルオイルやフローラルウォーターをを作りたい、圧搾法で柑橘類からエッセンシャルオイルを作りたい、ハーブから濃厚なインフュージョンオイルを作りたい、熱をかけずにエタノールを除去したい、そのような実践的な情報がほしい。
 本書は、以上のような、様々な疑問、要望に応える本です。ハーブの効能と選び方、抽出の基礎をやさしく解説、ウルトラ抽出法やLLi抽出法などの新しい抽出法を含めて、自分が必要なハーブ成分を一番効率的に抽出できる方法が理解できます。そして、水蒸気蒸留器を自作して、様々なハーブからエッセンシャルオイルやフローラルウォーターを簡単に作る方法や、オレンジやレモンの皮から圧搾法でエッセンシャルオイルを作る方法、ハーブチンキから、有効成分を壊さずにエタノールを除去するだけでなく、回収して再利用する方法など、あっとおどろくテクニックを紹介しています。
 この本が、手作り石けんや手作りコスメに興味がある多くの人の役に立つことを期待します。

                                              2015年9月
                                          薬学博士 田嶋晴彦


☆ご注意 石けん教室、アロマ、ハーブ教室等のテキストとしてご利用される方に☆
 本書は石けん教室やアロマ、ハーブ教室等のテキストとしても利用できますが、生徒さんに無断でコピーを配布することは商用利用にあたり、著作権侵害となりますので固くお断りします。教室等で利用する場合は、割引価格でコピーを配付できるライセンス契約を用意していますので、お問い合わせください。


目次

はじめに
手作りコスメ材料としてのハーブ
ハーブの効能
精油(エッセンシャルオイル)
芳香蒸留水(フローラルウォーター)
ハーブチンキ
ハーブエキス
インフューズドオイル 5
ポマード
ハーブ成分抽出の基本
水と油のモノサシ
抽出溶媒と抽出される成分
抽出・精製方法の基本
固液抽出
  固液抽出のポイント(抽出溶媒、抽出温度、抽出時間、抽出回数、表面積)
  固液抽出の方法(振とう法 ブレンド法 ソックスれー法 超臨界抽出法)
液液抽出
気液抽出
蒸留
減圧蒸留
水蒸気蒸留
圧搾
ろ過
遠心分離
塩析
脱水
脱エタノール
ハーブ成分抽出の実際
ハーブチンキを作る
遠心機(遠心分離機)を作る
インフューズドオイルを作る
USP-NF法(ウルトラ抽出法)
LLi法
ウルトラLLi法?
ハーブ成分最強の抽出法「ハーブ真空抽出法(HVE)」
  真空抽出容器を作る
  減圧蒸留器を作る
  ハーブ真空抽出法(HVE)によるハーブ成分の抽出手順
エッセンシャルオイルと芳香蒸留水を作る(水蒸気蒸留器)
  蒸留/水蒸気蒸留の歴史
  蒸留の原理
  水蒸気蒸留の原理
  エッセンシャルオイルの成分
  水蒸気蒸留に適したハーブなど
  水蒸気蒸留の実際
  オイルと水を分離する(分液ろうと)
  芳香蒸留水の香りをオイルに抽出する
  水蒸気蒸留をしてみたハーブ、果実など
  市販されている水蒸気蒸留器
圧搾法で柑橘系エッセンシャルオイルを作る
花の香りを抽出する
ハーブ成分の手作りコスメへの応用
手作り石けん
化粧水
クリーム
美容オイル
芳香スプレー
ハーブ成分の有効性と安全性
アロマテラピー
精油取扱上の注意
毒と薬の線引き
香料の安全性試験
香料の健康影響
ハーブの安全性データ
パッチテスト
レシピの記録
ハーブ抽出器具の作り方
工具など
真空抽出容器
真空ポンプ(シリンジポンプ)
減圧蒸留器
遠心分離機
圧搾機
分液ろうと
あとがき
ハーブや手作り材料の購入先
関連リンク
参考文献




 A4版60ページ、全面カラー、写真、図も多数