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肌質にあった石けんを作る


肌質にあった石けんを作る

さて、石けんシミュレーションのやり方がわかったところで、実際に自分にあった石けんを作ってみましょう。

(1) 乾燥肌の場合

 まずは、公開されたレシピで乾燥肌用のものをシミュレーションしてみます。Junkoさんの「Face Soap」、前田さんの「オリーブ石けん」「マルセイユ石けん」「最高に贅沢な石けん」、オリジナルの「ひまわり紅花せっけん」などが乾燥肌に適した石けんです。これらの特徴は、計算シートでグループ1としてある「ベースオイルとして使いたい油脂」が50%以上含まれ、ココナッツ油は30%以下となっています。

Face soap

オリーブ石けん

マルセイユ石けん

最高に贅沢な石けん

ひまわり紅花石けん


それぞれのグラフで見ると、どれも肌適性が7.0以上、洗浄力も高めですが、硬さ、溶け崩れのポイントが低めになっていて、六角形は右上に偏っています。ベースオイルはオリーブオイルが使われることが多いですが、オリーブオイルの一部、または全部をグループ1の他の油に換えてもかまいません。グループ2の油は、「さっぱりした石けんになる油脂」ですし、石けんが柔らかくなるので加えない方が無難です。グループ3の「石けんを硬くする油脂」は、パーム油を使うのが一般的ですが、脂肪酸組成のバランスが良いラードも、硬くて泡立ちの良い石けんになるのですすめられます。ステアリン酸やみつろうは少量で硬い石けんを作ることができますから、それらをちょっと加えてもいいでしょう。さらに、保湿力を高めたい場合は、型入れ前に、シアバター、ココアバター、ホホバオイルなどを加えると効果的です。けん化率は85%程度でいいでしょう。


(2) 脂性肌の場合

 公開されたレシピの中では、Junkoさんの「Coconut & Olive Bar Soap」や、「Coconut Bar Soap」などが、乾燥肌に向いたもので、泡立ち、洗浄力が良く、さっぱり洗い上がるタイプの石けんです。グループ1のベースオイルは50%以下、ココナッツ油が30%以上となっています。

Coconut & Olive Bar

Coconut Bar Soap


石けんシミュレーションのグラフを見ると、どれも肌適性は6.0以下ですが、起泡力、硬さ、崩れにくさのポイントは高く、六角形は左下に偏っています。ベースオイルとしてグループ1の油以外に、グループ2のごま油、コーン油などを混ぜるとさっぱりした石けんに仕上がります。グループ3のなかから選ぶ油脂は、肌に残りやすいステアリン酸の少ないパーム油が適しています。けん化率は90〜95%と高めにした方がいいでしょう。


(3) 普通肌の場合

 普通肌の人は、乾燥肌用と脂性肌用の中間の性質を持った石けんを作ると良いでしょう。石けんシミュレーションのグラフは、きれいな六角形を描くものが理想です。たとえば、アン・ブラムソンさんのパルマ・クリスティ石けんはきれいな六角形です。また、オリジナルのバランスソープは、脂肪酸組成がバランス良くなるように設計した石けんですから、これもおすすめです。

パルマ・クリスティ石けん

バランスソープ


脂肪酸組成のバランスが良いと、グラフはきれいな六角形を描きます。これら、バランスの良い石けんは、けん化率を変えたり、ハーブやクレイなどの材料を加えたりすることで、乾燥肌用にも脂性肌用にもなる使いやすい石けんです。マルセイユ石けんもバランスの良い石けんなので、少し手を加えることで、より自分にあった石けんに改良することができます。