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廃油石けんの作り方



■廃油石けんの作り方

 手作り石けんブームの前、日本で手作り石けんといえば、廃油石けんのことでした。家庭から出る廃油を流しに流せば水質を悪くするし、燃えるゴミに出してもゴミを増やすだけです。けれども、廃油から石けんを作れば、資源も節約できるし、ゴミも出ないので、まさに一石二鳥。自治会やグループなどが、家庭から集めた廃油を大きな釜で苛性ソーダと一緒に煮て、ご飯などを加えて固めるといった方法で廃油石けんを作っていました。
 しかし、廃油石けんは廃油独特のにおいがして、色も褐色。どうも評判がよくありません。食器洗いや浴槽洗いには使えますが、洗濯に使うとにおいが残りますし、洗顔には怖くて使えません。せっかく廃油を集めて苦労して石けんを作っても、もらい手がないといったこともしばしば起こりました。
 ここで、石けん屋さんがやっているように「塩析」という方法を使うと、真っ白で、廃油の臭いもない高品質の石けんを作ることができます。手作り石けんを作れる人なら、簡単にこの「塩析」という方法を使って廃油石けんを作ることができますから、ぜひチャレンジしてみてください。
作り方は、以下のとおりです。

注意:手作り石けんの作り方は以下のページにあります。必ずこちらもご覧ください。
http://sekken-life.com/life/HM_Soap03.htm

●上質な廃油石けんの作り方

(1) 廃油500gに対して、水185g、苛性ソーダ70gを使います。苛性ソーダは廃油を100%けん化させる量より5%ほど多めになっています。これは、油を完全にけん化するためと、不純物もいっしょにアルカリで分解するためです。

(2) 作り方は手作り石けんと同じですが、油も苛性ソーダも、60℃程度に温めてから混ぜ合わせ、けん化が完全に進むようにします。生地がマヨネーズ状になったら牛乳パックなどに移し、後は手作り石けんと同じように固めます。

(3) 2週間ほど熟成させた後、石けんを細かく切るか荒目のチーズおろしでおろします。(石けんのなかにはまだ苛性ソーダが残っていますから、必ずゴム手袋をして作業してください)。細くした石けん200gに対して400mLの熱湯を加え、かき混ぜて溶かします。溶けたらペットボトルに入れます。

(4) 水200mLに食塩40gを溶かした食塩水を作り、それを石けんの入ったペットボトルに入れて激しくふり混ぜます。ペットボトルを逆さまにしてしばらく放置すると、上にクリーム状の石けんが浮いてきます、下には食塩水と過剰のアルカリ、不純物の溶けた褐色の水が分離してたまります。完全に分離したら、ペットボトルをさかさまにしたまま、静かに蓋を開けて下の水だけを捨てます(この水には苛性ソーダが含まれていますので、この作業も手袋をして行なって下さい)。

(5) もう一度(4)で作ったものと同じ分量で作った食塩水200mLをペットボトルの中のクリーム状石けんに加え、同じようにふり混ぜた後、ふたたび下にたまっている分離した水だけを捨てます。

(6) このようにして塩析、精製した廃油石けんは薄いクリーム色で、廃油のにおいもほとんどありません。クリーム状の石けんを容器に入れて固めたり、数倍の水に溶かして液体石けんとして使ったりします。粉石けんにするには、ざるにキッチンペーパーを敷き、クリーム状の石けんを流し込んでしばらく置き、水分を切ります。水が切れたら炭酸塩60gを振りかけてかき混ぜ、新聞紙などの上に広げて乾燥させます。原料油脂がキャノーラ油やヒマワリ油などですから、水に溶けやすく、良質の粉石けんができます。