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美人の湯レシピ
■温泉人気ランキング 最近は温泉ブームで、温泉ガイド、日帰り温泉ガイド、温泉の効能別ガイドなど数多くの本やHPが公開されています。 るるぶが行った読者アンケートでは、人気の温泉ベストテンは以下のようになっています。
■美人の湯 一口に温泉といっても、成分は多彩で、泉質と適応症・禁忌症は異なります。ここでは、美人の湯に絞って話を進めていきます。 美人の湯と称する温泉は全国に多くありますが、一般的に知られている温泉は以下のようになります。 日本三大美人の湯
日本三大美肌の湯
軟水器大手メーカである三浦工業は、美人の湯について、ナトリウム濃度(mg/L)と硬度(mg/L)の関係を調べて、以下のような美人の湯を紹介しています。
入浴剤で有名なツムラは、HPでのアンケート調査で美肌に効く温泉として人気のあった温泉を公開しています。
■美人の湯の成分の特徴とは それでは、美人の湯とよばれている温泉の成分はどのような特徴があるのでしょうか? 上の表で美人の湯の温泉の種類は、ナトリウム炭酸水素塩泉、アルカリ性単純泉、単純温泉が多いことがわかります。硫黄泉や鉄泉、酸性泉、塩化物泉、硫酸塩泉などの温泉は美人の湯とは言われないようです。 美人の湯は、肌がつるつるするのが特徴ですが、これは1つは温泉のpHがアルカリ性で、タンパク質を柔らかくすることであり、2つ目は本HPでも説明していますが、石けんを使ったときに石けんカスができなくて、肌の表面に脂肪酸が残るためです。 やませみさんは「温泉の科学」というすばらしいHPをつくられていますが、その中で、つるつる温泉条件として 1) 高アルカリ性であること 2) 重曹成分を多く含むこと 3) ナトリウムイオンを多く含み、アルカリ土類イオンが少ないこと(=純重曹泉であること) とまとめています。 http://www.asahi-net.or.jp/~ue3t-cb/bbs/special/sience_of_hotspring/sience_of_hotspring_5-6-3.htm これらの特徴は、三浦工業の温泉データやツムラのアンケート調査とも一致し、ほぼ間違いないと判断出来ます。 ■美人の湯レシピを作る 美人の湯とよばれている温泉の成分の特徴がわかったので、それでは温泉成分を詳しく見て、その成分に近い配合の入浴剤を作れば、自宅のお風呂が美人の湯に変わるはずです。 美人の湯とよばれている温泉の成分を調べてみました。調べた温泉は、(1)嬉野温泉、(2)龍神温泉、(3)道後温泉の3箇所です。嬉野温泉は、私が最も気に入っている温泉の一つで、何度も行ったことがあります。温泉に入ると肌はつるつる、すべすべになります。また、この温泉水で作った温泉湯豆腐は「おいしんぼう」でも紹介されましたが、絶品です。道後温泉本館は、木造三層楼の城郭式建築は国の重要文化財に指定されています。道後温泉の中でも循環湯を使っているところもありますが、ここは原泉100%の温泉です。この温泉も柔らかい泉質の肌に優しいお湯です。 また、比較のため、東京都、千葉県、神奈川県及び大阪府の水道水質も示しました。
いつも入っている水道水のお風呂と美人の湯の違いを見てみると (1) pH: 水道水が7.5くらいなのに比べて、美人の湯は7.9〜9.1とアルカリ性である (2) 硬度: 水道水に比べて低い。これがすべすべの秘密のひとつ (3) Na(ナトリウム): 水道水に比べて非常に高い (4) HCO3(炭酸水素イオン): 非常に高い (5) SiO2(メタ珪酸): 水道水にはほとんど含まれない (6) その他: カリウム、鉄、アルミニウム、フッ素イオン、臭素イオン、硫酸イオンなどは水道水も、美人の湯も大差はない これらの結果から、美人の湯にあって、水道水にない成分を足して入浴剤を作ればいいわけです。 しかし、問題が一つあります。それは硬度です。美人の湯の硬度は水道水より低いので、水道水にいくら入浴剤を入れても、美人の湯にはなりません。美人の湯を作るためには、水道水の硬度を下げる必用があります。つまり、美人の湯の必須条件は軟水であることです。 −用意するもの− (1) 重曹 (薬局、スーパーなどで) (2) 炭酸ナトリウム (薬局など) (3) 食塩 (スーパー、コンビニなどで) (4) 無水硫酸ナトリウム(ボウ硝) (薬局で取り寄せ) (5) メタ珪酸ナトリウム (薬局で取り寄せ) 炭酸ナトリウム(炭酸塩、炭酸ソーダ)が入手しにくい時は、重曹をフライパンで炒るように加熱すると、炭酸ナトリウムになります。 無水硫酸ナトリウム、メタ珪酸ナトリウムは薬局で取り寄せてもらえますが、なければ入れなくてもかまいません。 このようにしてできたのが下のレシピです。このレシピ通りに入浴剤を作れば、かなり美人の湯に近いものが作れます。 あとは、自分で工夫して、自宅で美人の湯を楽しんでください。 美人の湯レシピ
注1 このレシピはお風呂の水100リットルに対して、必用な量(g)です。浴槽の大きさで量を加減してください。 注2 このレシピは各温泉の原泉のものです。温泉によっては水で薄めるところもあるので、この量より少なくてもかまいません 注3 初めて作ったときは、注意して入浴してください。肌に異常を感じたときは直ちに使用を中止してください 参考になるHP るるぶ温泉サーチ 温泉の科学 立ち寄り温泉みしゅらん 日本一の美人の湯ってどこ? ツムラ温泉科学プロジェクト 温泉分析書の見方 日帰り温泉-尾張から- 全国温泉データベース |